セラミック治療
当院では、見た目の自然さに加え、機能性も向上させるセラミック治療を行っています。セラミックという素材は、天然歯に近い色や透明感を再現できますし、天然歯と同等かそれ以上の強度を持っているため安心してお使いいただけます。ほとんど変色しないため自然な仕上がりを長く保つことができます。
銀歯と金属アレルギー
歯の治療では長く銀歯が使われてきていますが、銀歯は金属ですから唾液などに溶かされて体内に入り、金属アレルギーを起こすことがあります。原因不明のかゆみや体調不良は、銀歯による金属アレルギーの可能性があるのです。金属アレルギーはある日、突然発症することもあります。
時計やアクセサリーなどでかゆみが起こる場合、それを外しても銀歯があるとアレルギーの症状がおさまりません。当院では、アレルギー症状の原因が銀歯にあるかといった点をしっかりお調べした上で、適切な治療についてご提案しています。
セレックシステム
セレックシステムは、最先端の3D光学カメラで撮影してコンピューターで歯列を再現し、そこで修復物を設計したデータをもとにミリングマシンが精巧な修復物を作製するCAD/CAMシステムです。
トレーを口内に入れて歯型を採取する必要がありませんし、撮影後すぐに設計・製作が可能です。歯科技工所に依頼して作ってもらう必要がないので、時間的・経済的にも優れています。
ミリングマシンが作る修復物は、規格に則って生産された高品質なセラミックブロックですから、見た目や耐久性もよく、その日のうちに完成します。削ったその日のうちに装着できるため、患部が再感染してしまうリスクも大幅に軽減できます。
セレックの特徴
金属不使用のメタルフリー
セレックによる治療は金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がない身体に優しい治療です。また金属イオンによる歯ぐきの黒ずみも起こりません。
最短1日で治療終了
削ったその場でスキャンによる歯型採取、設計、作製ができるため、最短1日で治療が終了します。
不快な歯型採取がありません
3Dカメラで歯列のデータを取るため、不快な歯型採取を行う必要がありません。また、光学的なデジタルデータですから、ゆがみや劣化もなく緻密で正確なデータを使用できます。
天然歯と硬さが同等
食事の際に違和感がなくとても自然です。また耐久性が高く、他の歯にダメージを与えにくくなっています。
細菌が付着しにくい
セレックで使用されるセラミックブロックは高品質で粒子が細かく、表面が滑らかなので細菌が付着しにくく、むし歯リスクを軽減できます。
見た目も自然
透明感のある白さで表面がツルツルですから、見た目がとても自然です。
むし歯リスクを抑えます
一般的な修復では削ってから修復物ができるまである程度の日数がかかっていましたが、セレックは最短の場合、削ったその日に装着できるため、削った部分がむし歯の原因菌にさらされるリスクを最小限に抑えることができます。
またレジンのように接着の際の収縮がなく隙間ができないため、むし歯リスクを大きく軽減できます。
保険で白い歯を(CAD/CAM冠)
白い素材でできた保険適用のクラウン(被せ物・冠)です。コンピューターによる加工と製作を行う歯科用CAD/CAMで製作します。使用するのは保険適用のハイブリッドレジンブロックで、均質性と表面正常が向上しており、従来のレジンよりも強度が大幅に上昇しています。
無条件に保険適用されるのは小臼歯ですが、条件をクリアしている場合には大臼歯にも保険適用されます。条件には、金属アレルギーの有無、咬み合わせなどがあります。
「白い被せ物は高額な自費診療でしかできないのでは?」と疑問に思う方もあると思います。これは、厚生労働省の認可を受けたCAD/CAMという機器を導入している歯科医院、そして導入している歯科技工所と提携している歯科医院だけが保険適用で行える治療です。一部の歯科医院でしか受けられないため、知らない方が多いのです。
メリット
- 白いので銀歯のように悪目立ちしない
- 金属を一切使わないので金属アレルギーがあっても安心
- 従来の保険適用素材の白いレジンよりも強度が高く、見た目も優れている
デメリット
- 噛み合わせによってはこの治療ができないケースがある
- 長期間経過すると色が黄ばんでいく傾向がある
オールセラミック
すべてセラミック(陶材)でできているため、天然の歯に最も近い透明感がある自然な仕上がりになります。強度はありますがしなやかさがあるため、硬すぎて天然歯を傷付ける心配もありません。
金属を使わないため光の透過率が高く、前歯でも自然で美しい見た目を実現できます。メタルフリーですから金属アレルギーの心配もありません。
メリット
- 天然の歯に最も近い透明感があり、とても自然
- 好みの白さに細かく調整ができる
- 着色汚れが付きにくく、変色しにくい
- 歯を削る量を少なく抑えられる
- 金属アレルギーの心配がない、身体に優しい素材
- 金属を使っていないので歯ぐきの黒ずみが起こらない
デメリット
- 金属を使っていないので、強い衝撃を受けると欠けが起こる可能性がある
- 歯と一体化させる接着に高度な技術が必要
メタルボンド
外側はセラミック、内側のフレームには金属が使われています。金属が使われていることから強度が高く、力が入る場所にも安心して使えます。外側の見える部分はセラミックですから白くて変色しにくくなっています。ただし、裏側は金属ですから、それが気になる方には向きません。
金属アレルギーを起こす心配があり、金属イオンの溶け出しによって歯ぐきの黒ずみが起こる可能性はあります。金属アレルギーを起こしにくい貴金属を使用することでリスクを抑えることも可能です。
メタルボンドは中が金属でできているため、非常に強度があり、変色もしにくいのが特徴です。
メリット
- 表はセラミックなので見た目がきれい
- 変色しにくい
- 強度があるのでどの部分にも使える
デメリット
- 長年の使用で金属が溶け出し、歯ぐきが黒ずむことがある
- 金属アレルギーを引き起こす可能性がある
- 裏側は金属なので、何かの拍子にそれが見えてしまうことがある
ハイブリッドセラミック
セラミックと歯科用プラスチックのレジンを混合した歯科修復材です。硬いセラミックとやわらかいレジンを組み合わせたことで、適度なしなやかさが生まれ、食事の際の違和感がほとんどありません。審美治療の中では比較的安価です。
ハイブリッドセラミッククラウン(冠・被せ物)
メリット
- 審美治療の中では治療費を抑えられる
- ブリッジにも対応可能
- 保険診療のクラウンより自然な白さで仕上がりもきれい
- 食事での違和感がほとんどない
- 長期間使用しても歯肉が黒ずまない
- メタルフリーなので金属アレルギーでも安心
デメリット
- 自費診療なので、保険適用の場合に比べると治療費が高い
- 長期に使用しているとすり減りがある
- プラスチック部分が吸水するので、長年使っていると黄ばんでくる
ハイブリッドセラミックインレー(詰め物)
メリット
- 審美治療の中では治療費を抑えられる
- 保険診療のインレーより自然な白さで仕上がりもきれい
- 食事での違和感がほとんどない
- 治療後のむし歯リスクが低い
- メタルフリーなので金属アレルギーでも安心
デメリット
- 自費診療なので、保険適用の場合に比べると治療費が高い
- 歯を削る量がほんの少し多くなる
- 自然歯より硬いので割れる可能性がある
ゴールド
金合金や白金加金といった安定した貴金属ですから、金属アレルギーの心配がほとんどありません。やわらかくて強度があり、密着性が高いので歯の修復剤として昔から使われてきました。細菌が付着しいくいなど機能的にも優秀な素材ですが、目立つため前歯には向きません。
ゴールドクラウン・インレー
メリット
- やわらかく、天然歯にダメージを与えることがない
- ブリッジにも対応できる
- 歯との密着性が高いので、治療後のむし歯リスクが低い
- 金属アレルギーの心配がほとんどない
- 変色がほとんどない
- 汚れや雑菌が付きにくい
- 色が明るいため銀歯より目立たない
デメリット
- 自費診療なので治療費が高い
- 前歯など目立つ部分で使用できない
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは最高級の審美性と耐久性をそなえたセラミック素材です。透明感のある白さはとても自然で、安定した物質ですから変色もなく美しさを長く保ちます。また、強度が高いので、これまでのセラミックのように欠けてしまう可能性がほとんどなく、強く噛むことが多い奥歯にも使用できます。もちろんメタルフルーなので金属アレルギーの心配もありません。
メリット
- 透明感のある白さは最も高クオリティ
- 一般的なセラミックより硬い
- 変色や劣化を起こさない
- 金属アレルギーを起こさない
- 歯ぐきの黒ずみを起こさない
デメリット
- 自費診療なので治療費が高い
ファイバーポスト
クラウン(被せ物)の治療を行う際には、その土台となるコア(芯)をまず埋め込みます。保険適用のコアは金属製ですが、金属アレルギーが心配な方のために当院ではグラスファイバー製のコア「ファイバーポスト」による治療も行っています。金属は力がかかった時に歯根を破折する可能性がありますが、ファイバーポストには柔軟性があるため破折の心配もほとんどありません。
また、コアが金属の場合、セラミッククラウンを被せても光を十分透過できずに透明感がやや落ちてしまいますが、ファイバーポストは透過性があるのでセラミックの透明感を損ねることがありません。